2012年5月31日木曜日

新刊情報・注目本 | 考えるための書評集


12 04
2010

2010年11月刊の新刊・注目本情報

 少々おくれましたが、2010年の11月刊の新刊・注目本情報です。すこし11月刊でない本も混じっていますが。

 お金がないために新刊の世界が遠くの世界に思えるので新刊情報をアップすることをすっかり忘れていました。ジュンク堂のぶあついハードカバーが遠い世界に思えるきょうこのごろ。

ターケルの「大恐慌」というインタビュー集が夏ころに出ていたのですね。ユーロ危機に火がつくかという時代になりましたね。「生きさせろ!」はちくま文庫入り。

西研の哲学書はわかりやすいかもしれませんね。

サンデル人気でロールズのぶあつくて威容をほこった『正義論』が売れるのでしょうかね。『無縁社会』と『助けてと言えない』のような問題提起をほかのテレビ局もおこなってほしいものです。� ��ういう社会問題系の番組はレギュラー化すべき。

ウィトゲンシュタインの『青色本』は読みやすそうな印象。ジラールの『欲望の現象学』は新装版。文庫で出して。ことしは『超訳 ニーチェの言葉』が売れた年ですね。

『僧兵』は宗教がなぜ兵隊をもったのか違和感をもっています。

『ゲームキャラしか愛せない脳 』はまたトンデモ本くさいな。人の勝手だろと思いますが。

マンガの規制は手塚のころからすっといわれていますが、二次元の世界にハマりすぎることを嫌悪する感情や規範というのはありますね。空想の野放しに脅威を感じるからか、個人化や自閉化の傾向がはなはだしいからか。

言葉の起源は鳥のさえずりにあるのでしょうか。鳥の鳴き声って言葉なのでしょうか。

10 27
2010

2010年10月刊の新刊・注目本情報

 個人的にこの20年読んできた本の再読をはじめています。お金がないのがいちばんですが、いままで新しい本を読み飛ばすばかりで感銘した本もほとんどおぼえていないという状態がふつうでした。いい本でも読み返したり、おぼえたりしないと価値を増さないと思います。そういう反省から感銘した本を、お金がないこのさいに読み返す期間としたいと思います。

 新しい魅力ある本がつぎつぎと刊行される中で新しい動向にふれられないのは残念ですが、新しい本でも同じような趣向を前に見たことがあるとか、あまりにも流行にふりまわされてすぐに話題も有効性も消えてしまう本を読むのはムダです。ときには立ち止まっていい本を読み返すことも必要かと思います。自分にとって必要な本はなにかとそぎ落とせるいい機会だ� �思っています。

アルチュセールの「国家と国家のイデオロギー装置」が文庫入りするとはすごい。平凡社ライブラリーは文庫とはいえない値段ですけど。『近代ヤクザ肯定論』は派遣がなぜ最近まで禁止されたのか、港湾労働と山口組のかかわりがわかる本です。

『エスの系譜』は「和辻哲郎文化賞」「渋沢・クローデル賞」ダブル受賞の互盛央の新作。『アメリカン・デモクラシーの逆説 』は問題作かも。

『権威と上昇願望』と『幕末の世直し 万人の戦争状態』はいずれもわたしの興味をそそります。『プロパガンダ』はマスコミ時代もともかく、いまみたいなネット時代にも洗脳・被洗脳の危機が高まったともいえますね。

『女ぎらい』ですか。

デリダの本も平凡社ライブラリー入り。岩波文庫なみの値段で出してくれないかな。装丁のコストが高いかも。

内田さんの本が二冊出版。勝間バブルとか茂木バブルとかいわれましたが、内田さんは内なる歯止めをもっているでしょうか。内田さんはけっこう高齢ですからためこんだ引き出しがあるかもしれないですね。

『1492 コロンブス』の時代、ヨーロッパは中国やイスラムの大国の中の辺境でしかなかったわけですね� �

助けてと言えない―いま30代に何が NHKクローズアップ現代制作班

お母さんは忙しくなるばかり 家事労働とテクノロジーの社会史 ルース・シュウォーツ・コーワン 法政大学出版局

09 24
2010

2010年9月刊の新刊・注目本情報

 9月の新刊は8月と違ってさすがに読書の秋だけあって、いい本の目白押しですね。

 ほしい本を買うために働かなければと思うのですが、働けばこんどは読む時間すらなくなるんですね。金と時間の永遠のテーマですね。キャンディーつかんで手が抜けないサル状態だけにはなりたくないですが。ほしいものをつくると弱みをつくる。

『千のプラトー』の河出文庫入りは衝撃的ですね。あの分厚い威厳ある単行本をなんど手にとって金と理解が足りないとあきらめたことか。でもすでに『アンチ・オイディプス』で投げ出しましたけど。

『失われた歴史』は西洋のイスラム起源をさぐった本だと思います。西欧中心史観でわれわれは騙されてきました。『地中海世界の〈名誉〉観念』は読みたい本ですね。「名誉 」と人間の興味あるテーマ。


ものがばらばらに

三浦展と上野千鶴子の対談本がちくま文庫入り。『蟻族』は中国の高学歴ワーキングプア。出稼ぎ民工と職を争っているそう。日本の問題は中国でもおこっているんですね。非正規問題は韓国のほうが激しいし。国内の問題はほかの国も事情が似たものがありますね。

『ネオ階級社会はここから始まった』は1974年に転換点を見いだしていますね。オイルショック後の時代ですね。労働者の軽いあつかいはバブル前後でもじゅうぶん感じられましたが。

『自動車と移動の社会学』はクルマが変えた社会の概要というものを見てみたいですね。トクヴィルはアメリカの画一化と均質化に脅威を感じとった鋭い思想家で、大衆化と民主政治の問題に立� �向かった人ですね。

『「フェミニズム」と「同性愛」が人類を破壊する』は電波本なのかなぁ。

アドラー心理学はいちど読んでみたいなぁ。

サンカはいまごろなぜ静かに注目されているのでしょうね。階層社会の暗部が広がってきたということでしょうか。

『日本語の哲学』のような言語学の本は意外な発見に驚くものと思います。わたしたちは言葉のカーペット、船というものを意外に点検しないものですね。

08 24
2010

2010年8月刊の新刊・注目本情報

 ことしの夏は記録的に暑いですね。もう日本は熱帯地方と思えだとか、暑い国の昼寝の習慣をとりいれろだとかいわれますが、熱帯地方の人は働かないでも自然の豊穣な恵みを得られたのだから、日本人もそんな考えに見習ってほしいものですね。暑いときは動けば動くほど疲労しますから、じっと休むほうが賢いというもの。

 2010年8月刊の新刊・注目本情報です。今月はちょっと不作というか、アマゾンでもアップされていない本があったりして、出版界も暑さにやられたのでしょうか。

中島義道の『善人ほど悪い奴はいない』はニーチェの思想を見事に捉えたいい本を出したと思います。フーコーの『ピエール・リヴィエール』はひとつの犯罪から認識の変容を捉えた本だったと思います。

『ユリイカ 』の特集「10年代の日本文化のゆくえ ポストゼロ年代のサバイバル」は興味が魅かれますね。

スコット・ベックの『愛すること、生きること』はむかしから見かけた『愛と心理療法』の全訳。

『かぐや姫と王権神話』のような本は古代の原始宗教の話とか出てきそうで、興味を魅かれます。

『古事記の法則』は風水で日本神話を解くという本で、このジャンルはわたしは好きです。『階級という言語』は『ハマータウンの野郎ども』に近い本なのでしょうか。

『故郷はなぜ兵士を殺したか』はこの力学が日本にまだ残っているとしたら戦争反対の掛け声はなんの役にも立たないと思います。

07 27
2010

2010年7月の新刊・注目本情報

 2010年7月刊の新刊・注目本情報です。

 あつい日々がつづいていますね。温暖化がすすんだとするのなら、日本もバンコクのようにあつい昼は昼寝するにかぎる、出歩くなんて信じられないという文化が定着したらいいのにと思います。日本は寒い閉じ込められる冬にたいしての遊ぶ夏という対比がありましたが、あつすぎれば夏には遊べという社会規範がなくなります。

 怠け者にはうれしい温暖化です。温暖化カモン。

日本は経済成長してもてんで幸福にならなかったというデータがありますから、経済一辺倒のシステムを改革すべきだと思います。もっともそれではメシの食い上げになりますから、ほどほどにメシの食えるシステムはとうぜん必要なのでしょう。階層化も幸福の意識とかかわってきますね� ��オザキのいってた自由な社会は日本に生まれるのでしょうか。

『経済成長なき社会発展は可能か?』という本も出ていますから、やみくもな成長目的は実りをもたらさないという懐疑がふえてきたのでしょう。ジジックという思想家の本が新書で出ましたが、さいきんの新書は日本人の書いたものばかりでしたね。ひとむかし前では外国人の書いたものをありがたがる傾向がありましたが、時代はずいぶん変わったものです。

若者の海外旅行離れという話がありましたが、海外旅行というのはある意味特殊な嗜好であったと考えるべきだと思います。連休になればテレビがいつも旅行の報道をして、むりやり遊びにいけと強制されているようで不快でした。旅行なんていきたい人がいけばいいんです。

現代� �想というのはテレビも雑誌もめったにとりあげないジャンルですから、人びとにはどれくらい浸透しているのでしょうね。お祭りの外側にいる視点というものを思想は与えてくれのでしょうね。できればこの位置に立ちたいですね。

銃乱射事件とか無差別事件がふえていますが、システムや社会のありように抵抗しようにも具体的な対象、敵がいないから無差別な殺傷をおこしてしまうのでしょうね。宗教とか思想とか社会運動とかだれも助けてくれない時代なんでしょう。


ナイアガラの滝スウィンガーズ

神道というのは太古の自然崇拝が元にありますから、作為的な神と違う根源的な人の感情と出会える気がします。神も仏も信じられない時代には自然崇拝に元の感情をたどる必要があるのではないかと思います。

ブラッドベリの『火星年代記』は新装版です。わたしの心に深く刻まれた名作です。

06 25
2010

2010年6月に紹介する本

 6月刊の新刊情報です。なかには6月刊ではない新刊も混ざっています。

 これらの本の中で何冊電子ブックで読めることができるのでしょうね。ぜんぶ読めて1、2割引きではない半額ほどで読めるのなら電子ブックに移行したくなるのですが、まだまだなんでしょうね。

 ベストセラー本ではない売り上げが見込めない本ははやく電子ブック化したほうがコストはかからないのでしょうね。もっとも電子化してしまえば著者だけの利益になって出版社が必要なくなるというリスクも出てきますから、出版社ははやく紙本いがいの必要性を確保できないと淘汰されてゆくのでしょうね。

『「若者はかわいそう」論のウソ 』というこれまでの流れに棹差す本が出ましたね。反発を感じるのですが、感情的願望にひたっていたことを自覚しましたね。田中優子が『江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか?』という本を出しましたが、貧困や下層という憐れさはなかったのでしょうかね。『格下婚のススメ』は男が稼げなくなった時代に必要な発想だと思いますが、収入が格上の女性はどれだけいるのでしょう。

『自立が苦手な人へ』の長山靖生は目のつけどころがいいと思うのですが、すこし文学よりですね。『幸せの新しいものさし』は経済や金だけでない新しいものさしがほんとうに必要ですね。『結婚の才能』は主婦願望に鋭いまなざしを向けた『結婚の条件』の小倉千加子の新刊。

日本てほんとに衰退国なんですね。経済ランキ� �グでは衰退しても市民が豊かに幸せに生きられる社会にしたら問題はないと思うのですが。山内昌之の『幕末維新に学ぶ現在』はたしかに幕末維新の時代にいまを重ねるべきだと思いましたが、わたしはまるで幕末維新の勉強をしたことがない。龍馬だって見ないし。歴史は経済から切ってくれないと政治史や英雄史観だけでは興味をもてないのですね。人物本位の歴史観がウソっぽいと思ってしまうのでしょうね。個人が歴史を動かしたのではなくて経済や情勢だとヒロイズムを拒否したいのでしょうね。堺屋太一が『巨富への道』という本を出すとは意外。

『脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!? 』という機能をいいように使いたいですね。客観であるとか反省であるとかがいいことのように思われてきたのですが、自分を責めたり、ふさぎこむ気分をつくりだすとしたらそんな客観姿勢は自分を攻撃しているに等しいだけですね。客観より自分が気分がいいことを目的に転換するという発想をもたないとうつ病にひきずりこまれると思います。

リオタールの本が新装版になっていますが、法政大学出版局は三千四千円と高いうえに小さな書店では手に入りませんから、このような出版社こそはやく電子ブック化するべきだと思います。ユングの『赤の書』は三万七千円もしますから注意。ぶったまげる値段だ。夢日記と豪華な挿画で門外不出とされていた本の翻訳。ユングは名前を聞く割には専門的すぎる書を読んでみる� �にはなれないものですね。

木田元の文庫化が多いようですが、フッサールとかハイデガーの現象学とか実存主義の説明がうまい人でしたっけ。柄谷行人が『世界史の構造』という本を出していますが、世界史をどのように料理しているのでしょうか。柄谷行人はわたしにとってテーマを読んでもそれについて語っているのかとわからないほどの人でしたが。

冷戦が終わって20年もたつのですね。それから世界は様変わりしたのですが、失われた20年に重なりますから日本はこの時代に適応できなかったのでしょうね。

『自由への問い』というシリーズが岩波から出ていますが、日本は安定と保障は求めますが、自由をほとんど求めない国という気がします。「安定と保障のために死んでもいい」というお 国柄がみずからの首を絞めている気がします。どうしてこんなに保守的なんだろう。

マルクスの『経哲草稿』が光文社文庫から出ていますね。労働の疎外について語った学生運動時のバイブルとされた本ですが、光文社文庫はもうすこし重みのある装丁で出してほしい気がするのですが、このちゃちな装丁のせいで光文社古典文庫を一冊もほしいとは思いません。ちくま学芸文庫とか講談社学術文庫の豪華な装丁ならほしくなるのですが。

「神待ち少女」というのは知らない男に泊めてもらう家出少女のことですね。家に泊めてもらっても関係を迫らないから神とよぶそうですね。

ヨーロッパはどう問えばいいのだろう。興味のきっかけがさいきんありません。若者の失業率の高さとその人生には興味があり� ��すが、そういう報道や情報がなぜか入ってこないのですね。まあ、アメリカにしても憧れられたのはイメージやメディアのアメリカだけであって、一般のじっさいに生活する人の情報はほとんど入ってこなかったと思いますが。

閉塞感が20年もつづいていますが、明治や高度成長期のありかたまで問い直さなければならないのかもしれませんね。日本はなにをめざして、なにに行きつまっているのか、温故知新ですね。

05 24
2010

2010年5月刊の新刊・注目本情報

 新刊情報はいつも「人文書」さんにたよっているのですが、こちらはビジネス書の新刊情報がないので残念です。ビジネス書の新刊情報がネットで見つけにくいのはなぜでしょう。

 新刊は書店に行くと新書をひととおりながめていますが、ひと目でほしくなる本に出会うこともおおいのですが、時間がたつごとにその本に興味が薄れることがあります。新書はあまりにも多くの新刊が出すぎていて、軽はずみな本、時流におもねった本やニュース本のような趣きのある本も増えて、警戒感をもっていどみたいと思っています。

 新書はむかし時流とはなれた学問的な本を出していたと思うのですが、時流にのった軽薄本もふえて即決で選んでしまうと失敗してしまうかもしれません。なんかあまりにも熟慮の新書から離れ� �しまった気がします。時流にのりすぎた本は半年、一年先にはなんの価値もなくしてしまいますから、学問的な本はそんなことではあってはならないと思うのですが。

 わたしはニュース的情報が嫌いです。ニュースの上澄みでない社会や経済をじっと見ることが社会を知ることだと思っています。ニュースであっちにひきずられ、こっちにひきずられたりしても、一年後にはさっぱり忘れられたうえ、社会の底流や深層のことはわからずじまいですから。いちばん肝心なのは自分の住む日常の社会や経済を知ることではないかと思います。泡沫情報というのはたんなる商業情報やお友だちの集いなんでしょう。

 宮本常一もいっています。おおいに共感します。


南ベトナム滝

「新聞も雑誌もテレビもラジオもすべて事件を追うている。事件だけが話題になる。そしてそこにあらわれたものが世相だと思っているが、実は新聞記事やテレビのニュースにならないところに本当の生活があり、文化があるのではないだろうか」 『女の民俗誌』


『ダメ人間の世界史』は京大歴研OBのホームページから生まれたものですね。山田昌弘ってあの社会学者? 太田肇の『「見せかけの勤勉」の正体』は目のつけどころが鋭いですね、読みたい。


『トヨタの闇』はちくま文庫で新刊ですが、わたしはブックオフの百円本のハードカバーで仕入れました。広告でなりたつテレビや新聞でとりあげられないトヨタのブラックぶりを暴いてくれるのは本だけですね。


『無欲のすすめ』の島田裕己はなかなか読みたくなる本を出しているのですが、オウム以降信頼してはならないという縛りがずっとあるのですが、解禁してもいいのでしょうか。


佐野眞一が『宮本常一が見た日本』という本を出していますが、わたしは宮本常一がちょくせつ書いた本や写した写真を見たいと思うのですが。


『うつからの回復』という本は「新しい心理社会療法」とうたっていますが、社会的なアプローチがあるのでしょうか。


『生き方の不平等』という本は格差や不平等の新しい光を当てているのでしょうか。


『社会力を育てる』は無縁社会になったこんにち必要な知恵かもしれません。でもムリヤリお友だち社会や社交性の強要とかを押しつけてきたから、わたしたちは家にひきこもったり、地域のつながりを断った気がしますが。いえばいうほど人が嫌いになる。


NHKの無縁死コワイ・キャンペーンで無縁社会の恐れがひろまりましたが、松原惇子という人はあっけらかんとつきぬけていますね。テレビで見て笑いました。『「ひとりの老後」はこわくない』は洗脳にかかった人には脱洗脳の価値があるかもしれません。

孤独地獄脱出!―仲間ができる結婚できる3点一致の法則

ハラキリと男根開示―男とは何か?男性性で読み解く日米の戦争と平和 (歴史から学ぶ 1)

04 23
2010

2010年4月の紹介本

 おもに4月刊の本を紹介していますが、中にはてんで新刊でない本も紹介しています。


いずれもほしい本ばかりです。『ブラック企業、世にはばかる』は読んでおきたいですし、『日本はアニメで再興する』では日本のアニメで育った世界中の人が紹介されていますし、『電子書籍の衝撃』も話題の本ですし、『ポジティブ病の国アメリカ』はセラピーと貧困の競合が問われていますね。『名誉と暴力』は男らしさの病が問われています。


『アースダイバー』 秋ころから大阪のアースダイバーが連載されるそうですから、地元民としては先に考察したい気がします。『ヒトラーの経済政策』 ヒトラーは大悪人の代名詞ですが、大恐慌から救ったという評価もあるそうですね。ショーペンハウアーの『孤独と人生』は読んでおきたいですね。


『政治的無意識』はじつに現代思想的なタイトルですね。


角田光代の『八日目の蝉』はドラマでやっていますが、泣ける傑作ですね。『東京島』は映画化ですね。『ヘヴン』はいじめを題材としているそうですね。村上春樹の『1Q84 BOOK 3』が出てベストセラーになりましたが、エルサレムのスピーチやノーベル賞の候補で読み出した人たちって「世間体」を気にする層だけだと思うんでけど。


まえの三冊は本屋大賞を受賞したものです。過去の作品を見るとドラマや映画になった本が多いですね。『へうげもの』は手塚治虫文化賞ですね。


『考えない練習』は思考の病にかかっている人には必見でしょう。『「他人支配」をやめると幸せになる 』は鋭い指摘ですね。私たちは人がどうのこうの、あいつをどうにかしろと他人のことばかり気にして、怒りや不満の牢獄にとらえられていますね、その原因が「他人支配」と指摘されれば、手放しやすくなりますね。


このサイトでは江戸時代の写真のリンクがいちばん人気ですが、『幕末 写真の時代』のような本も出ているのですね。『遊郭をみる』 遊郭は男の魅惑をはなさないようですね。『江戸東京を支えた舟運の路』 船が交通や運輸をささえた時代というのは水辺がちかくにあっていいなと思います。


『冬眠の謎を解く』 冬眠って人間もできたらなと思います。何ヶ月も飲まず食わずで生きられるのですからね。


『普通の家族がいちばん怖い』のサブタイトルは「崩壊するお正月、暴走するクリスマス」で、慣習の壊れ具合をどうとらえているのでしょうか。

03 22
2010

2010年3月に紹介する本

 方針転換します。これまで今月の新刊だけ紹介してきましたが、新刊を基本にその他の本も紹介することにします。今月刊からもれる紹介したい本があまりにも惜しい気がするからです。それに今月刊や新刊であることにわたしはそんなに価値をおきませんしね。基本は今月刊の紹介にとどめたいと思いますが。

 ところでアマゾンの新刊では画像がまだない本がぼろぼろあって、画像紹介できないくやしい本がたくさんあります。撮影する本がおおすぎるのでしょうが、惜しい気がします。



『中高年の失業体験と心理的援助』は読みたい気がしますが七千もします。『友だち不信社会』は友だちが大事になりすぎた社会の苦しさですね。


年間三万人の自殺者が出るということは十年で三十万人もなくなっているわけですね。ひとつの都市や東京マラソンの参加人数(三万人)と同じ人がみずから命を絶ったわけです。将棋倒しになってふみつけにされても放っておかれるのでしょうね。


勝間和代の勉強本とわたしの興味がクロスしそうでヤバいと思います。ブームに乗りたくないのですが、時代ですね。


電子出版が本のありかたや出版界を変えてゆくことに興味と期待をいだいています。二千年の紙の本の歴史が終わる目撃者になれますね。


『コーヒーのグローバル・ヒストリー』に世界の縮図が見えるのかもしれませんね。


マリノフスキーの『西太平洋の遠洋航海者』が講談社学術文庫入りですね。贈与にもとづく互酬性経済を報告し、モースの『贈与論』の着想点となり、非人間的な資本主義にたいする批判となった書ですね。


山折哲雄が『愛欲の精神史』を書くなんて意外な気もしましたが、人間を問うのに避けて通れない問題なんでしょうね。


『20世紀のファウスト 』ってまたすごいタイトルですね。


『古代ポンペイの日常生活』は火山の噴火に消えたローマ時代の街ですが、リアルに人の生き様が保存されている街ですね。


『葬儀の民俗学』 孤独死の増加によって宗教なき葬儀のありかたが問われているのだと思います。


『分数ができない大学生』 わたしも数学は大のニガテでしたが、いま数学の問題を見ると頭がひねるほど理解できません。


『ストリート・ウォッチング』で街歩きが楽しめたらおもしろいですね。


『ホモ・ファーベル』は西欧の労働観をさぐった本ですね。『現代中国女工哀史』はかつて繊維業界で日本の過去におこったことが、現代中国でも製造業でくりかえしおこっていて興味をもっています。リアルな歴史が眼前でおこなわれているわけですね。この二冊はすこし前の出版です。

02 26
2010

2010年2月刊の新刊・注目本情報

 2010年2月刊の新刊・注目本情報です。

 アマゾンのキンドルやアップルのipadの登場により、紙の本で読む時代は数年後に終わっているかもしれない事態が現実感をおびてきました。私は数年後には電子書籍で読むのがあたりまえになる時代がくると思っています。

 なぜならネットのようにほぼゼロ円で本を出版できるからです。これまでは製本や印刷、流通や卸、書店などによって本の値段は高く設定されていました。ネットで発信できるのならそれらのコストはほとんどかかりません。出版社の選別能力や販促の力はのこってゆくでしょうが、モノとしての発送にかかるコストはいっさいかかりません。半額や三分に一くらいに下げられるのなら多くの人は電子書籍にとびつくでしょう。価格破壊の影響はそれほど大き� �ということです。本という情報や知を読むのに、印刷や発送のコストなんかにお金を払うのはムダすぎます。

 製本や物体としての手ざわり、一冊の本としての独立性と完結性に魅かれるという人は多いと思いますが、それは紙の本による愛着の方向が違ったほうにいったのだと思います。ほんらいは情報のみを摂取するのが本の目的です。紙の本に対する愛着は価格破壊によって完全に捨てられると思います。電子書籍によって本の概念やありかたは変わらざるをえないと思います。音楽がレコードやCDからダウンロードに変わったように、新聞が大判の紙面からネットでニュースを読むようになったように、本もその本質を問わざるをえないというものです。ただ紙の本にたいする愛着の抵抗は根強いと思いますし、豪華な装丁や 本のぶあつさ、表紙のデザインによってその本の価値をおしはかることができたのですが、それも押し流されてゆくのでしょう。

 あと数年の命かもしれない紙の本の読書を楽しみましょう。


『貧者の領域』は排除と隠蔽のありかたを暴き、問題を強く問うている気がします。『心でっかちな日本人』は日本人は集団主義であるという幻想をくつがえしてくれるでしょうか。アメリカの個人主義のネガとしてとらえられてきた趣がありますね。『集団』は集団とはなんであるかと深く問えるでしょうか。


『自己愛化する仕事』は利他志向的な仕事とぶつかって職業観の根本を折っている気がします。それが他者へのサービスという貨幣の循環、経済の成長を阻害しているのだと思います。『勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい』は本屋で思わずひきこまれました。こういうベタなありかたも有効な学びがあるという逆説も傾聴したい気がします。


『女はポルノを読む』は抑圧されてきた女性の性の肯定ですね。『モダンガールと植民地的近代』はくみあわせが妙ですが、領土拡張時代に女が男性化された現象を追ったのでしょうか。


オットーの『聖なるもの』は読んでおいたほうがいいんでしょうか。カイヨワの『聖なるものの社会学』は戦争の悦楽、民主国家と全体戦争の関係を説いていて読みがいがありましたが。「2000年秋の書評 性愛市場―総力戦」


『灘校 なぜ「日本一」であり続けるのか』 橘木俊詔が灘校について書いていますね。『働く人のための「読む」カウンセリング』はピープルスキルを磨くとなっていて、私には必要かも。


『子ども虐待と貧困』 虐待にはかならず貧困問題があると考えるべきですね。心理的問題だけに還元する時代はもう終わりにしなければ。個人のせいにして貧困問題を隠蔽したい社会がアブナイと思います。


『日本は世界5位の農業大国』 農水商官僚の情報操作によって窮状が訴えられて予算ががっぽりというしくみ。


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