YASUI's Web Diary -
子どもたちの理科離れが進み、PISAの国際学力テストでも「考える力」の欠如が指摘されています。技術立国であった日本の将来を危ぶむ声も聞かれる中、初等教育における理科教育の重要性がクローズアップされはじめました。
開校以来、地元の方々に支えられてきた本校ですが、ここ数年、地域と交わり、地域へ貢献できる活動を積極的に進めています。その一貫として、先日、小学校の先生方を対象に公開講座を実施しました。
講師は、本校の中学部で理科を担当している特任講師(京都教育大学・同大学院 非常勤講師)の松林 昭 先生で、私もお世話係として参加しました。
参加者がそれぞれ自己紹介した後で、まずは松林先生のこれまでの経験をもとにした「理科教育と環境教育」「教材開発と実践事例」の大きく二つについて、PowerPointを使った講義がありました。
特に、スウェーデンの中学校のブルンネル教諭が提唱している「ボトル生態系モデル教材」(Brunner 1996)を応用した実験事例には参加者全員が大いに興味を示し、休憩時間も議論が続きました。
後半は、いよいよ松林先生の独壇場。身の回りのものを使った実験体験です。まずは「不思議なふりこ」。
/ / NGを生成する方法細い竹に、長さの違うたこ糸を結びつけ、先に5円玉をつるした「ふりこ」をつくります。それを手に持ち「念力?」で揺らします。
ここで大切なポイントは、全部を一度に揺らすのではなく、これだと決めた一つだけを揺らすこと。揺れ始めたら、それを円を描くように回転させていきます。
最初は、なかなかうまくいかず、力の加減がわからないようですが、少し慣れてくるとたいていできるようになります。手に加えた力と「波長の合う」ものだけが揺れていく感じがつかめたらOKです。
大人たちが夢中になっている様子は、傍で見ていてもなかなか面白いもの。「隠し芸で使えるなぁ〜」「これを導入にやったら、授業に集中するかも・・・」と、自分が没頭しただけに、真実味のある言葉が次々と出てきます。
続いては、静電気の実験。風船を膨らませ、ティッシュなどでこすって、静電気を発生させます。その風船をアルミ缶に近づけると・・・。あらら不思議、アルミ缶が転がっていきます。まるで磁石を近づけたかのような動きです。
卵の損傷車の塗料ますこれで終わったらフツーです。松林流はひと味違い、向かい合った2人が1個の空き缶を使って「対戦」するのです。どちらの静電気がパワーを持っているか、いざ勝負!
またまた、ハマってしまいました。見てください、この笑顔! こんなに単純なことで大喜びできるわけですから、理科実験の凄さがわかります。やっぱり科学は楽しいのです。
他にも、空気砲や水を使った実験などもあり、予定していた時間を30分以上もオーバー。参加者のもう少しやって?という表情を受けて、最後に登場したのが磁石を使った、これぞ「可視化」という実験です。
まず、空のCDケースを用意し、中のマウントを取り外します。その中に棒磁石を入れ、閉じて机に置き、その上から同じ大きさに切ったOHPシートをかぶせます。
次に、鉄粉を少しずつふりかけていきます。
ハロウィーンは何日にです。当然、磁力の影響を受け、鉄粉が一定の流れ(磁力線)に沿って線を描くように並んでいくのがわかります。(軽く叩いてやると、よりハッキリします。くれぐれも強く叩かないように)
で、ここまでならよくある実験というか、結果を確認したよね〜ということで終わるんですが、ここからが「可視化」のメインです。
CDケースと同じ大きさに切った白い紙とスプレーのりを用意し、紙の片面にスプレー乗りを吹き付けます。(のりが飛び散らないように箱の中で行いましょう)
もうおわかりでしょう。そうです、この紙をシートにできた鉄粉の模様の上にかぶせ、写し取るわけです。ずらさないように注意しながら、そっと紙をのせます。
のせたら上から全体を軽くおさえ、裏返すと・・・
ジャーン! こんなふうにキレイに磁力線が描かれたものが完成します。のりが乾くまでしばらく待てば、あとはいつでも結果が確認できるってわけ。
こんなふうに、もうひと手間の工夫を加えることで、同じ実験でも、結果の扱いや法則の再現性、その後の理解などが大きく変わってきます。
見える形に残すことで、実験の時の楽しさや感動を再びよみがえらせる・・・。とても大切なことだと思います。
以上、公開講座のエッセンスを簡単にお伝えしましたが、2学期以降、またどこかでこんな理科実験講座を、対象も一般の方(親子)とかに広げてやっていこうと思います。
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